格安SIMはなぜ安い?
ちょっと古い情報ですがMM総研が2015年9月末時点のMVNO契約者数は400万契約を突破したと発表しました。
MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)とは世間でよく言われている格安SIMを発行している事業者で、自社で回線設備を所有していない事業者を指します。
ちなみにMVNOに対して回線設備を保有しているいわゆるキャリア(docomo, au, softbankなど)はMNO(Mobile Network Operator:移動体通信事業者)と呼ばれます。他にもMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体サービス提供者)という事業者もあります。
ここでは私の実際の経験もふまえて何回かにわたって格安SIMについて解説したいと思います。
格安SIMに乗り換えようとしている人のお役に少しでもたてればと思います。
ではまずはなぜ安いのか?を解説します。
格安SIMの安さの仕組みの前に
世間でお得と言われている格安SIMですが変える、変えないにしろなんで安いのかの仕組みを知っておいたほうがいいと思います。
ざっくり3,000円/回線くらい安くなったりします。
なぜこんなに安いのでしょうか。
まず、料金が決まる仕組みを考えていきたいと思います。
料金を構成するもの
月々の料金はどのようにして決まるのでしょうか。
料金にはざっとこんなものが含まれています。
- 回線設備費用
- その他設備費用
- キャンペーン費用
- 顧客向けサービス費用
回線設備費用
また、設備の更新なども定期的に行われています。
これらの費用は主にキャリアが負担し、料金で回収します。
MVNOの場合はキャリアに回線使用料という形で請求されているはずです。
その他設備費用
例えばショップに行った時に顧客の情報を確認, 更新できるシステム、インターネット上から契約を確認, 更新できるシステム、各社独自サービスを提供するシステムなど、回線以外の設備の構築, 維持にもお金がかかります。
キャンペーン費用
実はここがキモです。
キャンペーンと言ってもいろいろありますが、一番わかりやすいのは端末の値引き。
あなたの使ってるそのスマートフォン、実質いくらでしたか?
例えばiPhone6sの場合16GBモデルで78,800円、128GBモデルで101,800円です。
(2016.07.17現在)
この値段、高いですか?
おそらく多くの人が高い!と思うと思います。ただ、これはappleが販売している価格、いうなれば定価のようなものです。
各キャリアが販売しているiPhoneも、もとは同じ値段のはずです。
ではなぜこんなにするものが実質5,000円で売られているのでしょうか?
簡単に言うと端末の割引分を誰かが負担しているからです。
わかりにくいかも知れませんがあなたの携帯を安くしているのは、その割引分を誰かが払っているから。そしてあなたも誰かの割引分を払っているのです。
端末が安くなるならいいや!と思っているかも知れませんが、問題は不公平感。
どこのキャリアも新規やMNPの場合の値引きを厚くし、機種変更の場合の値引きはそこまでしてくれません。
回線数が増える新規、他社からユーザを獲得できるMNPの値引きを厚くするのはある意味正しい行為です。
が、そうなると長く使い続けた人が損をしているような構図になります。
他にも各社が実施している値引きサービスの大半は巡り巡ってユーザの払った料金から捻出されていることは企業として当然のことです。
顧客向けサービス費用
キャリアの場合、携帯が壊れたとき、当たり前のように安価で修理をしてくれ、その間に代替機を無料で貸してくれます。
格安SIMの場合は一部端末を除いてこのようなサービスをしていません。
そもそも格安SIMの場合は自社であまり端末を販売しておらず、修理の対象となる自社販売の端末がないのでこのような修理サービスをする必要がないのです。
(最近格安SIM事業者から端末が販売になっていますが、メーカー修理にお任せ(代替機貸出なし等)が多いです。)
この修理サービス以外にも各社が提供している独自の顧客向けサービス費用も料金に反映されています。
なぜ格安SIMは安いのか
月々の料金を構成するものをざっくり見ていきましたが、結局何で安いのかがわかってきたかと思います。
格安SIMの場合はキャリアに比べ、[その他設備費用]をサービスの絞り込みで抑え、[キャンペーン費用]や[顧客向けサービス費用]等を大きく抑えることで低価格を実現しているといえます。
つまり、サービスを絞り込み、いらないものを削った結果安くなっているのです。
もちろんキャリアのサービスがいい!という人もいると思います。安さを取るか、サービスを取るかはそれぞれの考え方だと思います。
次回は格安SIM提供者の選び方を書きたいと思います。
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